因果関係とは?

今回は「因果関係」とは何かを説明します。
多くの人は因果関係と相関関係を同じものと考えがちですが, それは間違いです。

まず相関関係
「2つのまたは2つ以上の変量の間で、一方の変量が変化すると、他方もそれに応じて変化する関係」
次に因果関係。
「因果関係とは、ある事象Aが起きることが事象Bの発生に対して影響する関係。」
数学でいえばA->Bが成り立つときであり, P(B|A)が大きいときに成り立つと言えます。

例えば, 台風と洪水には台風->洪水という因果関係があります。
台風が起きれば洪水になりやすいのは当たり前ですね。

しかし,みかんと風邪は因果関係にありません。
みなさんはみかんを食べた次の日に風邪になったという経験がありませんか?
これはみかんが冬が旬の果物であり,風邪が冬に流行りやすいという事実から生まれた誤った因果関係です。

ここで問題ですが,朝ごはんと学力には因果関係があるのでしょうか?考えてみてください。
こんなデータがあります。http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/manabee/pdf/17_06.pdf





正解は相関関係です。因果関係ではありません。
確かに統計データでは,朝ごはんを食べている人ほど頭がいいということが示されています。
しかし,朝ごはんが頭をよくするということは示されていません。
因果関係があるということを示すためには,頭のいい人が朝ごはんを抜いたときに頭が悪くなるということを示さなければならないのです。

あくまでも相関関係は因果関係の一部でしかありません。

因果関係の特徴として以下の性質が挙げられます。

(1)関連の整合性(consistency)
関連が反復して観察され,普遍性がある。例えば人,場所,時間などを変えても同じ結果が得られる。

(2)関連の強固性(strength)
原因と結果に相関関係が成立する。

(3)時間的前後関係(temporality)
原因が結果よりも時間的に先行する。

(4)既存知識との整合性 (plausibility)
既知の知見と矛盾しない。

因果関係を使うときは気をつけて使いましょう。あなたが思っている因果関係は相関関係かもしれません。